2017年度 活動日誌
3月 活動日誌
2018年4月2日
GJOコーディネーター 森田 誠亮
2月12日に赴任し、早くも1か月が経ちました。明るく元気な学生たちに迎えられ、安心して授業に入ることができました。
3月は、8日に大使館主催で「東日本大震災追悼イベント」があり、カイロ大学の学生は1,2年生の有志が集まり、1か月ほど練習し、「翼をください」を合唱しました。普段はなかなかお会いすることのないアスワン大学など、他大学の先生方や学生さんも参加しており、交流の機会にもなりました。
また、10日からは横浜国立大学から先生方や学生さんが来てくださり、カイロ大学の2年生や3年生と交流してくださいました。その中で、3年生が自主的に観光名所についての説明を調べてきており、一生懸命話している姿は印象的でした。
今週から、中間試験の時期に入っており、寝不足気味の学生の姿が目立つようになってきていますが、普段からきちんと授業に参加し、宿題をしていれば難しくないということを伝え、厳しく言えば甘えたがりである学生たちのお尻をたたきながら、一歩一歩レベルアップしていければと思っております。試験後は、本学からの留学生をはじめ、日本人との交流の機会を増やせればと思っています。
1月 活動日誌
2018年2月8日
GJOコーディネーター 加藤 陽介
今月半ばには期末試験も終わり、3週間ほどの休みになりました。夏休みがとても長い分、冬の休みはそれほど長くありません。勉強したことを忘れないうちに新学期が始まるので、学生にとっても教える側にとっても、こちらの方がいいかもしれません。
私事ですが、3年間務めさせていただいたこのカイロ大学を、今学期を以て帰国することになり、ありがたいことに、最後に学生や先生方に送別会を開いていただきました。各々が食べ物を持ち寄り、お腹がはち切れるかというほど、手作りのエジプト料理やお菓子、ケーキの数々をいただきました。
GJOは来月より、後任の先生に引き継ぎます。これからもカイロ大学を盛り上げてくださるでしょう。私も日本から、カイロの様子を楽しみに拝見したいと思います。3年間ありがとうございました。
12月 活動日誌
2018年1月8日
GJOコーディネーター 加藤 陽介
日本では師走と言われ、年末、年越し準備の忙しい月ですが、カイロの12月もめまぐるしく過ぎていきます。
4日には日本語能力試験(JLPT)が行われました。カイロではまだまだ1年に1度のみの実施で、資格の有無を重要視するエジプト人の性格もあり、学生たちにとっても重要な一日となります。試験後の感想は悲喜こもごもではありましたが、それぞれ反省を生かして更に上のレベルを目指していってほしいと思います。

12日には、昨年度に引き続き、九州大学と在エジプト日本国大使館によって留学フェアが行われました。様々な専攻の学生が集まり、日本留学の情報を集めるこのフェアで、東京外国語大学の紹介も行いました。 今回も、大学院生のYasmeen Zakariaさんに通訳をお願いし、また自身の東京外国語大学での留学経験についても語ってもらいました。日本語のレベルも大変高いYasmeenさんですが、「正則アラビア語(フスハー)もめちゃくちゃ上手!!(聞いていた先生談)」だそうです。英語での発表が大半な中、このようにアラビア語でダイレクトに伝えられるのは非常に助かります。
16日には毎年恒例の弁論大会が実施されました。今年はエジプト国内の日本語教育機関7機関からの発表者の他、スーダン?ハルツーム大学からも2名が参加し、総勢29名の発表で大変盛り上がる大会となりました。発表テーマは初級が「憧れの人」、中級が「未来」、上級が「私の漢字」で、発表者はそれぞれの経験や考えを会場へと発信しました。この大会に、東京外国語大学からも賞品を提供しており、各レベルの2位の参加者にレポートパッドなどが送られました。やり切ったという学生も、悔いが残っているという学生もいますが、それぞれの参加者、また見に来ていた学生たちにとっても、モチベーションを上げるきっかけとなればいいなと思います。
今月で1学期の授業も終了し、月末からは期末試験が始まりました。JLPTにスピーチ大会に期末試験と、常に何かが待ち受けている忙しい12月で年末年始も休みなくフル稼働ですが、この期末試験(1月半ばまで)が終われば休みが待っています。学生たちにはあとひと踏ん張り、頑張ってもらいたいところです。
11月 活動日誌
2017年12月5日
GJOコーディネーター 加藤 陽介
11月下旬には雨が降り(10か月ぶりではないでしょうか…)、カイロの気温も下がってきました。こちらでは雨が冬の訪れのサインとなっていて、これから一気に冷え込んでいくだろうと思われます。そんな冬の訪れを感じさせる11月には、様々なイベントがありました。
10日には、毎年恒例、日本人会主催の秋祭りが行われました。今年は祭りへの入場の他、ボランティアとして学生が参加させていただきました。祭りでは焼きそばやお好み焼きといった日本の屋台料理が売られていた他、輪投げやヨーヨー釣りといったゲーム、またステージパフォーマンスや盆踊りもあり、日本を感じることができるようなひと時でした。日本の祭りの雰囲気を味わい、ボランティアとして参加した学生にとっては日本人との協働を経験できた一日でした。学生も「楽しかった」と口をそろえる一方で、日本人スタッフの方にもお褒めの言葉をいただき、大変有意義な一日でした。

20日には、東京外国語大学OBの方が出張でカイロにいらしたことを機会に、東京外国語大学、また大阪大学外国語学部のOBOG、現役生計14名が集まり、大学時代の話に花を咲かせながら食事をしました。OBOGの方々から学生に、東京外国語大学にいたことが社会に出てどう活きてきたかを伝えてくださっていて、留学中の現役学生にとっても刺激のある会だったように思います。またこのような機会で外語会カイロ支部の集まりが出来ればと思います。
22日から25日までの間には、博士後期課程の髙橋亘さんに若手研究者派遣でいらしていただきました。22日には、12月16日に開催予定のスピーチ大会に出場する学生を選抜する学内オーディションが行われ、髙橋さんにも審査に入っていただきました。23日には、ご自身の専門でもある多読について、院生や若手のスタッフに講義をしていただき、その後は学生を対象に多読を実施しました。髙橋さんに来ていただいたのも、前々から、現在のエジプトの学生の弱点を克服するきっかけになるのがこの多読という活動なのではないかと感じていたためで、自律学習につながるこの活動の導入を、私も楽しみにしていました。学生も、自分の読みたい本を読めるこの多読という活動を体験して面白さを見出したようで、とても楽しかったという感想が出ていました。院生や若手スタッフもこの活動に興味を持っていたので、この活動が継続して行われるのではないかと期待しています。短い滞在でしたが、カイロ大学に多読の種をまいていってくださった髙橋さんに感謝しています。
30日は預言者ムハンマドの誕生日の祝日で、1年生の学生や東京外国語大学、大阪大学、九州大学の留学生とともにアレキサンドリアへ1日旅行をしに行きました。カイロより少し涼しい海沿いの街で、世界に誇れるアレキサンドリア図書館を見学したり、魚料理を食べたりと、リフレッシュをすることのできた1日でした。

今月、東京外国語大学から『キャプテン翼』の日本語版、アラビア語版(東京外国語大学に留学中のシリア人学生による翻訳版)をいただき、貸し出しを開始しました。アラブ圏では「Captain Maged」として有名な本作品にアラビア語翻訳版があることは学生にとっても、またスタッフにとっても衝撃的なことのようで、興味を示している人が多いです。是非、日本語版と見比べながら楽しんでもらえたらと思います。
10月 活動日誌
2017年11月5日
GJOコーディネーター 加藤 陽介
10月も半ばを過ぎて、カイロもようやく涼しくなり、朝晩は冷え込んできました。学期初めでバタバタしていた9月に比べ、大学も大分落ち着いてきました。

13日には毎年恒例の日本人会運動会があり、カイロ大学の学生もご招待いただきました。例年通り徒競走、綱引き、玉入れに参加させていただき、楽しい時間を過ごしました。入学したばかりの1年生を中心に参加したのですが、玉入れの結果を数える際は、「いち、に、さん???」というように、習ったばかりの数字を声に出していうことができていました。小さなことですが、勉強したことが生で使える場面に遭遇でき、学生にとっても教えているこちら側にとってもいい機会でした。
12月にはスピーチ大会が開催されることになり、出場を希望する学生は現在発表の原稿を用意しています。各部門2名しか出られませんので、11月に学内での選抜をすることになりそうですが、どのようなものが出てくるのか、楽しみにしています。
9月 活動日誌
2017年10月8日
GJOコーディネーター 加藤 陽介
長い夏休みを終え、ついに新年度が始まりました。1年生も入学してきて、ひらがな、カタカナから勉強し始めています。毎年この時期に思うのですが、日本語を全く知らない状態で「あいうえお」から始め、1年後には漢字交じりのある程度の長さの文章が読めるようになっている2年生以上の学生たちは大したものだな、としみじみ感じます。とはいえ、「休みで日本語を忘れました」などというけしからぬ声も聞こえていますので、甘やかさずに尻を叩いていかなければな、と思い直すのでした。
今年の新しい試みとして、1年生で使う教科書「みんなの日本語」の会話のスキットを、2年生が自分たちで演じ、ビデオ撮影しています。これを1年生が勉強する際に見せ、先輩の姿を見て楽しみつつ、エジプトの馴染みのある場所での会話を見て、場面が理解できるようにしたいと思っています。また、2年生にとっても、基本文型の復習をしながら発音などの練習にもなっています。グループで考え、各場面を面白おかしく工夫して、ビデオ撮影に励んでいるようです。また、授業外でも勉強したいという学生に応え、日本のCMを見たり、漢字のパズルに挑戦したりして、楽しみながら日本語能力に磨きをかけていくようにしています。先日見たCM (http://www.kappasushi.jp/CM/)では、「この勘違いは日本語ならではだね」といったように、日本語の性質の面白さに気がついたりと、新たな発見もありました。今後も続けていきたいと思います。
少しずつ暑さもおさまり、朝晩は涼しくなってきました。体調に気をつけつつ、勉強に励んでほしいと思います。